刊行にあたって


 今日の社会は,高度情報化,国際北.高齢化,価値観の多様化な ど,かつてないほどの規模と逮さで変化しています。これからの学 校教育は,このような社会の変化の中で,心豊かに.たくましく生 きていくことができる児童生徒の青成を目指していかなければなり ません。  そのためには,知識や技術を断片的に与えるのではなく,児宣生 徒が一人一人のよさや可能性を生かして,新しい対象に積極的にか かわり,考え,判断し,表現する資質や能カを獲得できるようにす ることが求められています。
 茨城県教育研修センターでは.「主体性の青成を図る学校教育に 関する研究」という統一研究主題を掲げて研究を進めております。 その中で,教科教育第一課では,乎成6・7年度の2か年にわたり, 国語,社会,算数・数学,外国語(英語)の教科について,「学ぶ カを育てる学習指導の在り方」の研究をしてきました。
 この「学ぷ力」につきましては,新しい学力観とは何か,その実 践方法ばどのようにするのかの研究を進める過程において,次のと らえ方をしました。「学ぷ力は.学ぷ能カとしての恩考力,判断力. 表現カ.評価カ等と学ぶ方法としての読み取り方.観察の方法,調 査の方法.実険の方法等の2側面から構成される力である.lと考え ました。実践方法については,最も効果的な内容習得と学習の能カ や方法などの習得とを同時的に可能にするような授業・学習の過程 の組み立て方に焦点を当て.研究を進めました。
 教科によって授業・学習の手順や組み立て方に違いはありますが. 新しい学力観に基づく授業方法の根本に多少なりとも近づくことが できたのでばないかと思います。本報告書が多くの先生方の今後の 授業実践に活用され,掌習指導の一層の工夫・改善に役立てぱ幸甚 に存じます。
 おわりに,本研究を進めるに当たり.意識・実態調査に御協カい ただきました関係学校及び研究協力員の先生方に対しまして,心か ら感謝の意を表します。

平成8年3月
茨城県教育研修センター所長
高久清吉


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