は  じ  め  に

 平成元年3月に告示された新学習指導要領では,情報化への対応が大きな柱の一つとして盛り込まれています。今,学習指導要領の告示から6年目を迎えるわけですが,この「情報化への対応」を受けて,学校教育の情報化を推進するための行政施策が現在数多く進行しています。こうした施策のもとに,児童生徒の情報活用能力を育成するための環境は,今後ますます整備されていくものと期待されます。
 ところで,中学校学習指導要領の技術・家庭科の情報基礎領域等において,情報化への対応の一つとして,コンピュータ制御が取り上げられています。コンピュータ制御の特徴は,コンピュータを使って外部の機器を働かせることができるということです。日常生活でも,一見しただけではわからないようなところで,さまざまなコンピュータ制御が活躍しています。
 このコンピュータ制御を中学校の技術・家庭科での学習指導に取り入れることによって,社会でのコンピュータ利用がよりよく理解させられるだけでなく,積極的に情報手段を活用しようとする態度を養うとともに,学習過程を通して創意工夫する態度を育成できるものと期待されます。
 本研修センターでは,これまで取り上げられることの少なかったコンピュータ制御について,どの中学校でも容易に実践できるような制御教材であること,そしてこの制御教材を通して主体的な学習活動ができることを念頭におきまして,実践研究を積み重ねて参りました。
 本研究で取り上げましたコンピュータ制御を手がかりとしまして,生徒の情報活用能力の多面的な育成に今後とも取り組んで行かれますようにお願いいたします。
 最後に,本研究を進めるに当たり,御協力いただきました関係中学校及び研究協力員の方々に厚く御礼申し上げます。

平成7年3月
茨城県教育研修センター所長
高久 清吉


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