1.はじめに

選択教科としての保健体育は,生徒の運動や健康・安全に対する興味・関心の高まりや欲求を充足するために,必修教科での学習状況を背景として,その内容を深化,補充し,より一層生徒の個性を生かすための配慮と工夫を必要とする。

そのためには,生徒自らが学習したい運動を選択すると共に,自己の現状から学習課題を設定し,課題解決にむけて楽しく,生き生きと学習に取り組めるような教師の手だてが準備されなければならない。

しかし,選択教科「保健体育」は多くの場合,指導体制の確立が不十分なことや,施設,設備の不備等の問題から,授業に対する意識の低さが見られ,一過性の楽しみの時間となりがちである。

そこで,生徒自らが自己の特性や興味・関心に応じた種目を選択し,それに基づいた学習計画や課題設定,課題解決のための方法が見つかるような援助指導をしていけば,生徒一人一人が主体的に活動できる学習が展開されるのではないかと考え,本主題を設定した。

2.研究のねらい

運動の選択から,課題の設定,課題解決のための練習方法,ゲームの進め方にいたるまでの内容を生徒自身の手によって成立させるための手だてを明らかにする。

3.ねらいにせまるための手だて

自分の特性や興味・関心に応じて,学習する運動種目を生徒自身に選択させる。 選択した運動種目に基づいて,学習の見通しと計画を生徒に立てさせる。 学習の仕方や進め方を生徒に決めさせる。 学習状況を自己(相互)評価によって確かめさせる。

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