調査結果の概要

1小学校について

教員の資質・資格では,武道の段位所有者・心肺蘇生法・泳力・野外活動等について調査した。特に泳力では,77%の先生が25m以上泳げる能力を有し,5m未満といういわゆる泳げない先生方が1.4%と少なかった調査結果から,各校での水泳指導の充実や児童の泳力の高まりが予想される。

学校体育全体計画を作成している学校が59%,体育年間計画は76.6%という数字は予想していたものより少ない感じがした。特に年間計画は,自校の実態にあったものを作成し,それを基に,体育指導の充実を期していく必要がある。

体育科こ関する研修については.70%の学校が実施し,研修会等の伝達も90%をこえる学校が実施している。小学校では.体育が苦手の先生方も体育を担当することから研修を積み,楽しい体育を目指していくことが望まれる。

業前・業間体育は71.9%の学校が実施している。児童の体力や運動能力を高めるとともに児童相互や教師と児童のふれあいの場となる活動場面を,さらに多くの学校が取り入れてくれることを期待したい。

スポーツ少年団は,県内どこでも盛んであり,加入者数も全国第3位(茨域県体育協会調べ)と多い。指導者中の教員の割合は22.3%である。

体育施設・設備の面では,体育館保有校が96.3%プール保有校が92.2%と年々充実してきており,それらの施設の開放も90%をこえ,生涯体育・スポーツの振興にも寄与している。



2中学校について

運動部活動に参加している生徒は,男子で在籍者の82.4%,女子で同じく63.7%と多い。各中学校の大半の先生方が顧問として生徒の指導にあたっており,学校教育活動全体の中で部活動の果たす役割は大きい。部活動の終了時刻は,ほとんどの学校が(95.7%)決めており,夏季と冬季によって時刻を変化させている学校が多い。

体育的行事については,1校平均4.3種類の大会等を実施している。体育祭はほとんどの学校で,マラソン大会や陸上競技大会も80%に近い学校が実施している。数は少ないが,武道大会やダンスの発表会等,特徴のある行事を行っている学校もある。

体育科の年間計画は・97・4%の学校が所有しているが,新学指導要領が完全実施となる平成5年度には,新しい考え方を取り入れた年間計画を作成し,学習指導の改善・充実を図ることを期待したい。

体育科に関する校内研修については,83.4%の学校が実施し,研修会等の伝達も95%をこえる学校が実施している。体育の教科部会は,月毎に持つ学校が多く,週に1回の話し合いを持つ学校がそれに次いでいる。

選択制の導入については,平成3年度時点で領域内選択の実施校68%と,積極的な取り組がなされている。平成4年度の公的な調査結果は載せてないが,実施校数とともに,選択の方法も生徒選択が増えてきており,さらに,男女共習を取り入れている学校も多くなってきている。

体育施設・設備の面では、体育館保有校が100%,プール保有校が93.3%,武道場についても60%をこえ,年々充実してきている。



3高等学校について

保健体育免許所有者で柔道の段位取得者は64.5%剣道の段位取得者は37%である。この数字から推定すると,保健体育免許所有者のほとんどが柔剣道どちらかの段位を取得している状況がわかる。

運動部員数の割合は,男子が在籍者の41.1%,女子が26.6%であり,3人に1人の生徒が運動部活動に参加している。茨城県高等学校体育連盟の調査(平成3年度30.6%硬式野球と同好会等を除く)によると,運動部員数はここ数年ほとんど変わらず,全国の平均とも差がないということである。

体育科に関する校内研修こついては,72.1%の学校が実施し、体育の教科部会は、ほとんどの学校で実施している。教科部会は週毎に持つ学校が多く,月に1回の話し合いを持つ学校がそれに次いでいる。

選択制の導入については,平成3年度時点で領域内選択の実施校が3分の1であり,平成4年度、そして平成5年度(予定)と,実施校が増加の傾向にあることが、聞き取り調査で明らかになっている。

体育施設・設備の面では,体育館保有校が100%,第2体育館の保有校は31校(27.9%)、プール保有校が85.6%・武道場についても70%をこえ,年々充実してきている。



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