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研究主題について
「教育の情報化に関する手引き」（平成22年10月文部科学省）には，教育の情報化について，「情報教育〜子どもたちの情報活用能力の育成〜」「教科指導におけるＩＣＴ活用〜各教科等の目標を達成するための効果的なＩＣＴ機器の活用〜」「校務の情報化〜教員の事務負担の軽減と子どもと向き合う時間の確保〜」の３つの要素が示されており，これらを通して教育の質の向上を目指すとしている。さらに，教科指導におけるＩＣＴ活用については，教員による学習指導の準備や児童生徒によるＩＣＴ活用と並んで，授業での教員によるＩＣＴ活用の重要性が述べられており，「ＩＣＴ活用が教員の指導力に組み込まれることで，児童生徒の学力向上につながる」としている。
授業におけるＩＣＴ活用が「わかる授業」を実践するための有効な手段であることは，平成19年３月にメディア教育開発センターによって公表された「ＩＣＴを活用した指導の効果の調査（文部科学省委託事業）」によって検証されている。また，平成21年度「学校ＩＣＴ環境整備事業」などにより，それを実現するための学習環境も整いつつある。
文部科学省により実施されている「学校における教育の情報化の実態に関する調査結果」において，茨城県では，「授業中にＩＣＴを活用して指導する能力」について，全校種の75.5％の教員が「ＩＣＴを活用して指導ができる」と答えている。しかし，種々の研究発表会等で，それらを用いた授業実践について取り上げられることは少なく，当センターの研修講座の受講者からは，「授業のイメージがわかない」，「ＩＣＴ機器の使い方が分からず，活用への敷居が高い」といった声も聞かれる。これは，各教科等の授業において「ＩＣＴを活用する」ことの視点や考え方が十分に理解されていないことに起因するのではないかと考える。
そこで，ＩＣＴを活用した授業実践を行い，その様子やＩＣＴ機器を活用する際の要点をまとめ，具体的に提示することができれば，各教科等の目標を達成するための効果的なＩＣＴ活用についての視点や考え方が理解でき，教員のＩＣＴ活用指導力が向上すると考え，本主題を設定した。
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研究の基本方針
本研究は，研究協力員によって行われた授業実践を，Ｗebページにまとめて提示することで，県内の教員のＩＣＴ活用指導力の向上に寄与することを目的とする。そのため，できるだけ複数の校種や教科で，異なるＩＣＴ機器による授業実践を行うようにする。また，文字による情報だけでなく，動画や写真を数多く用いることで，より具体的にＩＣＴを活用した授業の視点や考え方，ＩＣＴ機器を使用する方法等を発信していきたいと考える。
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研究の内容と方法
本研究では，各教科等の目標を達成するための効果的なＩＣＴ活用について研究する。そのために，研究協力員（小・中・高各２人，合計６人）を委嘱し，授業におけるＩＣＴ活用についての授業実践を行い，その実践事例をＷebページにまとめ，広く県内の教員に紹介する。
授業実践の成果は，授業実践とＩＣＴ機器を活用する際の留意事項としてＷebページにまとめた。授業実践では，各研究協力員の授業の様子が，授業の展開に合わせて動画で見ることができるようにした。また，ＩＣＴ機器を活用する際の留意事項については，今回の授業実践で活用したＩＣＴ機器等を中心にまとめた。例えば，プロジェクタの設置や接続について，電子黒板のキャリブレーション（位置の校正）の仕方についてなどを動画や写真を用いて，具体的に理解できるようにした。これらは相互にリンクしており，授業実践からＩＣＴ機器の説明を見ることができ，その逆も可能となっている。
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研究の実践(実践事例)
授業実践を行い，まとめたＷebページは以下のとおりである。
「授業におけるＩＣＴの活用実践事例集」
また，本実践事例集は，当センターホームページからも見ることができる。
茨城県教育研修センターホームページ
− [研究] − [研究報告書] − [平成23年度]
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研究のまとめ
本研究では，次の２点を成果としてあげることができたと考える。第一は，授業におけるＩＣＴの具体的な利活用場面を提示できたことである。それにより，各教科等の目標を達成するための効果的なＩＣＴ活用について，より具体的なイメージをもつことができるのではないかと考える。第二は，ＩＣＴ機器の操作やそれを活用する際の留意事項を提示できたことである。それらを見ることで，ＩＣＴ機器を使用する際の不安を軽減することができるのではないかと考える。
これらの成果を，Ｗebページにまとめ広く発信できたことで，授業においてＩＣＴ機器を活用し「わかる授業」を実践したいと考えている教員の，ＩＣＴ活用指導力の向上に寄与できると考える。